RULES / 火災予防条例
火災予防条例の清掃義務
飲食店などの厨房設備の排気ダクト・フード・グリス除去装置について、各市町村の火災予防条例が定める清掃・維持管理の決まりを、消防本部ごとに条文と公式の案内から整理しました。
ここに書いたのは条文と消防本部の公式の案内の要約です。設備の規模・用途によって求められる内容は変わります。具体的な判断は、所在地を管轄する消防署にご確認ください。
01全国の基準になる「火災予防条例(例)」
多くの市町村の火災予防条例は、総務省消防庁が示す「火災予防条例(例)」をもとに作られています。
天蓋及び天蓋と接続する排気ダクト内の油脂等の清掃を行い、火災予防上支障のないように維持管理すること。火災予防条例(例)(昭和36年11月22日付け自消甲予発第73号) 第3条の4第1項第3号(天蓋・グリス除去装置・火炎伝送防止装置は容易に清掃できる構造)・第3条の4第1項第4号(天蓋と接続する排気ダクト内の油脂等の清掃・維持管理)
厨房設備(レンジ・フライヤー・かまど等)の天蓋と、そこにつながる排気ダクトの内側の油脂を清掃し、火災予防に支障がない状態を保つことを求める。あわせて天蓋・グリス除去装置・火炎伝送防止装置は清掃しやすい構造にする。
- 令和8年7月3日付けの消防予第278号で、条例(例)の第18条・第19条・第20条・第21条(液体・固体・気体燃料と電気の器具)に、調理に用いる器具の周囲の排気ダクト・グリス除去装置等に油脂が付着しないよう管理する旨の項(第3項)を追加するよう示した。施行期日の例は令和9年4月1日。各自治体が条例改正して初めて効力を持つ。
- この改正は焼肉店などの客席の七輪・コンロ上に設ける『上引き排気ダクト』を主な対象とする。具体的な点検・清掃の例は消防予第279号(助言)に示されている。
- グリス除去装置の下端は火源から80cm以上1m以下に設ける例が示されている(消防予第279号)。
- 火炎伝送防止装置は防火ダンパーまたは自動消火装置を指す(消防予第206号)。
02消防本部ごとの整理
- 札幌市消防局第3条の2第1項第3号(容易に清掃できる構造)札幌市
- 仙台市消防局第10条の2第1項第3号(容易に清掃できる構造)仙台市
- さいたま市消防局第6条第1項第3号(容易に清掃できる構造)さいたま市
- 千葉市消防局第3条の4第1項第3号(容易に清掃できる構造)千葉市
- 東京消防庁第3条の2第1項第5号(グリス除去装置等の清掃・維持管理)東京消防庁管内(特別区と多摩地域の多くの市町村。稲城市・島しょ部は管轄が異なる)※管轄の細目は未確認頻度の目安あり
- 横浜市消防局第4条の4第1項第4号(フード・グリス除去装置・火炎伝送防止装置は容易に清掃できる構造)横浜市
- 川崎市消防局第4条の4第1項第3号(容易に清掃できる構造)川崎市
- 浜松市消防局第3条の4第1項第3号(容易に清掃できる構造)浜松市
- 名古屋市消防局第5条の2第2項第3号(フード・グリス除去装置・火炎伝送防止装置は容易に清掃できる構造とし、定期的に清掃すること)名古屋市頻度の目安あり
- 京都市消防局第3条の4第1項第3号(排気フード・グリス除去装置・火炎伝送防止装置は容易に清掃できる構造)京都市
- 堺市消防局第5条第1項第3号(容易に清掃できる構造)堺市
- 神戸市消防局第9条の2第1項第3号(容易に清掃できる構造)神戸市
- 広島市消防局第3条の4第1項第3号(容易に清掃できる構造)広島市
- 福岡市消防局第3条の4第1項第3号(容易に清掃できる構造)福岡市頻度の目安あり
- 北九州市消防局第3条の4第1項第4号(天がいと排気ダクト内の油脂等の清掃・維持管理)北九州市
03清掃の頻度について
確認した条例はいずれも、清掃して「火災予防上支障のないように」維持管理することなどを定めていて、清掃の回数そのものは定めていません(名古屋市は「定期的に清掃すること」と規定)。次の表は、消防庁や消防本部が公式の案内で示している頻度・目安の整理です。いずれも助言や目安で、条例上の回数の義務ではありません。
| 消防本部 | 公式に示された頻度・目安 |
|---|---|
| 総務省消防庁(火災予防条例(例)) | 現行条文には清掃頻度の数値はない。令和8年7月の改正(調理器具の周囲で使う排気ダクト等の管理)に伴う消防庁の助言通知では、グリス除去装置と排気取入口までのダクトは営業日ごとに点検・清掃、それ以外の部分は6か月に1回程度(グリス除去装置等が適切に設置されている場合)または1か月に1回程度(その他の場合)の目視点検を行い、油脂の厚さが0.4mm程度に達したら清掃する、という例を示している。これは助言(目安)であり法令上の義務ではない。 |
| 東京消防庁 | 東京消防庁のガイドラインは、点検の目安として、天蓋・グリス除去装置など外から見える部分は日常的に、排気ダクト内部など確認しにくい部分は概ね1年ごとに点検するよう示し、頻度は店舗の規模や使用状況に応じるとしている。点検の目安であって法令上の義務ではない(清掃の頻度を条文は定めていない)。 |
| 名古屋市消防局 | 条文は『定期的に』清掃と定めるのみで、具体的な間隔(日数・月数)は条文上書かれていない(指導基準での数値は未確認)。 |
| 福岡市消防局 | 条文に頻度の数値はない。市消防局の飲食店向けページは、メーカー推奨の方法で定期的に清掃すること、清掃頻度を定めて定期的に行うことを呼びかけている(数値の目安は記載なし。要請・推奨であり条文上の頻度規定ではない)。 |
出典・確認日
- 総務省消防庁「厨房設備等の基準に関する検討部会 資料1(火気器具上部に設ける排気ダクトについて)」(確認日 2026-10-18)
- 総務省消防庁「火災予防条例(例)の一部改正について(通知)(令和8年7月3日付け消防予第278号)」(確認日 2026-10-18)
- 総務省消防庁「上引き排気ダクト等の適切な管理に関する運用について(通知)(令和8年7月3日付け消防予第279号)」(確認日 2026-10-18)
- 総務省消防庁「改正準則の運用について(平成3年10月8日付け消防予第206号)」(確認日 2026-10-18)
- 札幌市「札幌市火災予防条例(例規集)」(確認日 2026-10-18)
- 仙台市消防局「仙台市火災予防条例に関する指導指針(令和8年3月制定)」(確認日 2026-10-18)
- さいたま市「さいたま市火災予防条例(例規集)」(確認日 2026-10-18)
- 千葉市「千葉市火災予防条例(例規集)」(確認日 2026-10-18)
- 東京消防庁「飲食店の厨房設備等に係る火災予防対策ガイドライン(平成24年8月作成・平成29年11月更新)」(確認日 2026-10-18)
- 横浜市「横浜市火災予防条例(例規集)」(確認日 2026-10-18)
- 川崎市「川崎市火災予防条例(例規集)」(確認日 2026-10-18)
- 浜松市「浜松市火災予防条例(例規集)」(確認日 2026-10-18)
- 名古屋市「名古屋市火災予防条例(第3編 予防)」(確認日 2026-10-18)
- 京都市消防局「京都市火災予防条例 運用基準(令和8年3月)」(確認日 2026-10-18)
- 堺市「堺市火災予防条例(例規集)」(確認日 2026-10-18)
- 神戸市「神戸市火災予防条例(例規集)」(確認日 2026-10-18)
- 広島市消防局「広島市火災予防条例の解説(第3条の4)」(確認日 2026-10-18)
- 福岡市「福岡市火災予防条例(例規集)」(確認日 2026-10-18)
- 福岡市消防局「飲食店のみなさま 排気ダクト火災にご注意!」(確認日 2026-10-18)
- 北九州市消防局「【厨房設備】排気ダクト等の厨房設備はこまめに清掃・メンテナンスを行いましょう!(北九州市火災予防条例の抜粋を掲載)」(確認日 2026-10-18)